飛行日誌
ロングクロスカントリー  バンクーバー、カナダへ(Beechcraft Sierra N6719B)
宮 典史


事業用パイロット訓練の中でも一番の醍醐味である“Solo Long Cross Country Flight”、念願のバンクーバーへバケーションを兼ねて敢行。僕にとって、バンクバーは去年ワーキングホリデーで8ヶ月間滞在した、懐かしの場所。アルバイトをしていた日本食レストランへも行ってみたいし、お世話に成ったホストファミリーや友人に久し振りに会う事が出来ると思うと、心は躍っていました。
Air Accordに入学してから6ヶ月と12日。Private Pilotを取得してから3ヶ月と12日。半年前は飛行機の訓練ってどんな事をするのか全く知らずに始め、想像とは違った新しい物事ばかりの毎日に(やっと初ソロが意識出来たあの時)、初ソロの次は単独でクロスカントリーも敢行すると知って、吃驚。事業用ではもっと長いクロスカントリーでラスベガスやグランドキャニオンへ行くんだと聞かされた時は(皆にハメられている)と思ったものでした。脇田校長に尋ねると「宮君なら今から半年もいらんよ、何所へ行きたいんだ。」と聞かれ、そんな事が本当に僕に出来るのかなと思いながらも「Commercial long-cross countryはバンクーバーへ行きたいな!」と話していた事が実現できました。さぞかし皆さんには心配かけた事でしょうし、事業用訓練を担当頂いている鳴沢主席教官にゴーサインを貰い、奥さんの純子さんが持たせてくれた握り飯をユージーン空港で食べた味は忘れられません。
今まで思いも寄らなかった良い経験を一杯積む事が出来ましたので、思い起こしながら飛行日誌に綴りました。


9月に入ってからバンクバー行きの準備を始め、学科最終試験も中旬に終了。当初の予定では9月22日頃に出発して30日辺りに帰ってくるはずだったのですが、訓練中に機体のギアーモーターが作動しなくなり、早急にモーターをオーバーホールして貰ったもののギアーの調子は良く成らず。格納庫で佐野整備士(教官)の助手をしながら10月を迎えました。教官方には「10月になるとオレゴンから北の天候が悪くなるので、9月中にサンダーナで行った方が良いのでは?」と言われつつ、毎日天気図を睨んでいました。北西から低気圧が前線を伴って次から次へとバンクーバー辺りを通り過ぎるのを見て、そろそろ限界かと一度は考えたのですが、Complex Airplaneに乗りこなす事がCommercialの必須事項。最近やっとシエッラの操縦感覚が身近に感じて来ていた事、巡航も速く強い味方と成るオートパイロットが装備されており、それを使いたかったので、修理の完了を待ちました。

2003年10月9日 金曜日
いよいよシエラの修理が完了し、テストフライトを兼ねてベイエリアを1周。Take off & Landing もこなし、総てに異常がない事を確認。何時でも出発できるように荷物も揃え、準備は万端。残るは天候次第。
10日、11日 サンノゼ=快晴、オレゴン・シアトル=雨、よって待機。
12日
何時もより早起きして学校に着き、天候をチェック。オレゴンまでVFRコンディション、シアトル以北は雨が残るものの翌13日は高気圧に覆われるとの予報。バンクーバーまで直行するのは困難と判断し、Eugene(オレゴン)に1泊する事にして、緊張を押さえ、出発を決定。

2003年10月12日 日曜日 RHV(CA)→EUG(OR)
Pre-Flight Checkを終え、荷物を積み込み(1人なので教官席にチャートや必要なものを並べ、フライトに必要なものは全て手の届くところにセット。燃料も満タン(57.2 gal、消費予定35.9 gal)、現時点では行程に問題無し。
14:30 鳴沢教官、佐野教官、大倉さんに見送られながらエンジンスタート。Taxi Clearanceは R/W 31Rへ。念入りに Run Up を行い、Clearanceを貰って待ちに待ったTake Off。

14:45Takeoff 133 feet⇒ 8500 feet
訓練でもお馴染みのRight 45 Departureで一路北へ。Sacramento Valleyは北の端に位置するChicoやReddingまで行った事があるので、気分的に余裕。RHVより3マイル地点を上昇中、デモフライトに出た Air Accord訓練機3724Z(サンダーナ)がRHVタワーに北から着陸許可を求めて入って来る島田教官の声が聞こえた。少しするとタワーから「19B traffic 11 o'clock 2 miles, Sundowner inbound to RHV, altitude indicate 2000」と言われ、確認すると同高度で24Zが横切って行った。直後、嬉しいことに(本当はいけないのですが)「宮君行ってらっしゃい!」と日本語で一言。偶然にすれ違っただけだったけれど、ちょっと格好良かったですね。嬉しく成って「Thank You」と返すと、タワーから「Say Again?」と聞かれ、(私用に使って済みませんと思いながら)「19B Request Frequency Change」周波数チェンジの許可をもらい、Oakland RadioにFlight Planのオープンをリクエスト。ところが、BrieferによるとAIRMET TANGO(乱気流注意報)がオレゴン南部に発生中との予報を受け、(飛び立ってまだ10分も経っていないのに、もう問題が発生!)どうする?と考えながらもエンジン快調で愛機シエッラはグングン上昇を続けて行く。取り敢えずカリフォルニアの北端まで行ってみて、タービュランスが激しければ引き返す事にして、フライトを続行。「ロングは何が起こるかわからないから面白い!」と言っていた鳴沢教官の言葉を思い出し、勇気付いた。
予定通り、高度8500 feetで巡航。Sacramento近くで乱気流に備え代替プランを作成。問題はMt Shasta周辺の山岳部を越える事が出来るかどうか?Chico上空でOakland Flight Watchへ連絡。Eugeneの天候とAIRMETSを確認すると「Eugene SKY Clear, AIRMET no longer affects your flight」との吉報をもらい、不安を一掃して一路 Eugeneへ。

16:27 Redding上空で8500⇒10500 feetに上昇。
ここまでは一度来た事があるので気分的にも余裕でしたが、そこから先は全く知らない所なので少々不安。初めてシャスタレイクやシャスタ山を近くに眺め、いよいよ州外へ!と意気込んだ矢先、尿意と言う来て欲しくなかった奴が遂に来た。トイレの為に近くの空港へわざわざ降りるなんて〜、(その辺は皆さんのアドバイス宜しく)用意周到。携帯トイレを持参したものの、使うのは初体験。尿意は高まるばかりなのに頭は完全フライトモード、中々思うように行かないものでした。オートパイロットを使い操縦から離れ、〜に集中する事3分余り。やっとの思いで用を足し、溢れない様に(ゼリーのように固まるタイプ)袋を後部座席へ置いて、フライトを再開。 


17:41 MEDFORD上空で10500⇒4500⇒4000 feetに降下。
前方に雲がべったりと広がっていた為、4500 feetへ降下。それでも同高度に雲があり 4000 feet にセット。Eugenへダイレクトで向かうコースは山が多く、おまけに西日で靄がかかり眼下の視界も悪かったので、予定よりコースを西にとってField elevationの低い所へ迂回。雲と霞みに挟まれたので、辛うじてVFRを維持するのはVORだけが頼り。不安が募って来る中、RHVからずっと繋いできたFlight Followingから「6719B, Remain on your present heading and See you again when you get a little farther north」と言われ、頭に“?”を浮かべながら(意味は理解できたので)取り敢えず“Roger”と返したものの、聞いた事も無いインストラクションだったので(Rader Service を切られるのか、“また北で”と言う事はそのうちまた向こうから呼んでくれるのか、こちらから呼びかけないといけないのか)緊張しながら考えていると、一時自分が何所に居るのか分からなくなり焦ってしまいした。VORを信じて落ち着いていれば何も問題は無かったのですが、人間焦るとだめですね。コースより南西にズレた自分のポジションを把握出来た所で、Rader Contact。山間部で私が高度を低くした為に、レーダーに映し出されていなかったのだと、後になって気付きました。

18:29 Eugene(オレゴン)
雲を避けながら、Eugene空港を発見。着陸許可を得て、無事着陸。駐機場にパーキングし、モーテルへのシャトルバスを待つ間、純子さんから頂いた握り飯を食べてホッと気を抜く事が出来ました。
モーテルでは1人で他にする事も無く、専ら気になる明日の天気とフライトプラン。ウエザーチャンネルを付け放しで、フライトプランに手直しを加え、11:00就寝。 
飛行時間4時間24分(ホブスメーター)


10月13日 月曜日 EUG(OR)→YVR(Vancouver, Canada)
6:30 起床、(遠足の日の子供ような)朝食を取る、外は霧。

8:00 空港着。天気をチェックしプランの計算は終えたものの、Visibility 2 miles, Celing 500 feet overcast, 気温8度。暖かかったサンノゼが夢の様でした。12時位に晴れるとの予報は的中せず、14時まで待ちぼうけ。

14:00 Take Off from Eugene 0 → 10500 feet
逸る気持ちを押さえ、雲の間を縫って高度10,500 feetへ上昇。Cruiseに入り余裕の出来た所で回りを眺めると、雲の上に雪化粧して突き出したCascade山脈の素晴らしい景色に感動し、Portlandへ一直線。

15:21 OLYMPIA(WA)
Portland AppからSeattle Center → Seattle Appへと繋がれるとラジオも活気が溢れ、シアトル国際空港に行儀良く連なってアプローチしている旅客機やダウンタウンのビルも見え(と言ってもだいぶ遠くに)さぁ、いよいよカナダだとワクワクしてしまいした。
15:45 20 mile NW of Seattle 、バンクーバーへ70マイルの地点でATCと食い違いが。
(テープレコーダーから抜粋。)
ATC 1: “N6719B contact Seattle Center 125.1”
N6719B: “Contact Seattle Center 125.1”、“Seattle Center N6719B with you”
ここ迄は教科書通り。
ATC 2: “N6719B Seattle Center, Say your Altitude ”
高度を聞いてきた。よくあることだ。
N6719B: “10500 feet,19B”
ATC 2: “19B, Roger. Is your transponder working?”
トランスポンダーを確かめ、この辺から嫌な予感が。
(国境を越える時はトランスポンダーコードが必要で、もし壊れてしまったら、国境を越えられなくなってしまう。)
N6719B: “Affirmative,19B”
ATC 2: “19B Say your DME and Radial from Seattle”
ノイズがうるさく聞き取れず、
N6719B: “Say Again?”
ATC 2: “・・・” 返事がない。
N6719B: “Seattle Center 19B Say Again?”
ATC 2: “6719B, How do you read me?”
おそらくラジオがスタックしていたようだ。
N6719B: “Loud and clear”
ATC 2: “What is your position?”
レーダーに映っていないようだ。
N6719B: “Position is 22 miles south of PENN COVE (CVV) VOR”
ATC 2: “Ok, Say your radial and DME from CVV”
ここでやってはいけないミスを。
N6719B: “345 radial, 19B”
VORをToでとってステーションに向かっていたから、正しくは反対側の165 radial、ATCはVORの北を探すはず。
ATC 2: “345 radial, OK Say your DME from CVV”
N6719B: “21 miles south of CVV,19B”
ATC 2: “OK、I got you are South, Ident please”
ATCが南にいることを理解してくれた。
N6719B: “Ident, 19B”
ATC 2: “I don’t receive your Transponder, would you Ident please. ”
Ident ボタンを押すが、表示されていない。
N6719B: “Ident, 19B”
ATC 2: “Could you recycle your transponder?”
Transponderをオフにして、もう一度オンにしてくれと指示され
N6719B: “Recycle and Ident,19B”
ATC 2: “I don’t receive any Ident. Would you say DME from CVV again please.”
レーダーにIdentマークがでないらしく、距離を教えてくれと指示を受けたので
N6719B: “8 miles from CVV, now.19B”
ATC 2: “19B, roger you are 8 miles south, correct?”
おそらく発見したようだ。
N6719B: “Affirmative”
ATC 2: “19B, Radar contact”
やっとレーダーコンタクト。レーダーに 通常なら N6719Bと4桁のコードが付けられて表示されているはずなのに、ただの飛行物体として映っていたようだ。この一連のやり取り、今回のクロスカントリーで反省しなければならない所でした。

16:00 WHIDBEY(35マイル前)
遂に国境まで来た〜、目の前がカナダだ〜。先程の一難去って、10分も経たない所でまた一難。YVRのATISを取り、さぁ国境を越えるぞ!という時、WHEDBEY APPROACHが事も無げに “N6719B, RADERRADER SERVICE TERMINATE SQAUK 1200, Good day.”。国境を越えるには、指定されたSQAUK CODEが必要なのに、レーダーサービスを切られてしまいました。今から考えれば、あの時点で再度SQAUK CODEをリクエストをすればよかったのですが、FSSへ電話で確認した時には、Rader Followingを受けて行くと問題は無いと言われており、国境を目の前にして、「え〜?Terminate? Good day じゃあねぇよ!」と心の中で叫んでいました。
次に繋がれると予想していた、バンクーバーターミナルに急いでコンタクト出来たので、辛うじて新規Squawkコードを貰って、フウ〜、一安心。

16:20 Vancouver(CANADA)
バンクーバータワーから着陸許可をもらい、懐かしい街並を初めてコクピットから眺める事が出来た嬉しさを抑え、ベースからファイナルへ移ってランディング。カナダカスタム前で飛行機を止め、大地に降りた時は感無量でした。入国管理官にハンコをもらい、荷物を降ろしながらも遠いところに来たという実感は全く無く、去年以来会ってなかった友達の所へ行くばかりと急いでタクシーに乗り込みました。
飛行時間2時間24分(ホブスメータ)。総飛行距離724マイル、飛行時間約7時間。  

         
10月26日 日曜日 
滞在していた2週間、ほとんどの日が雨か曇り。この日は打って変わって朝から晴、今日は帰れる。バンクバー滞在中、迎えてくれたホストファミリーや集ってくれた友達に挨拶を終え、いざ空港へ!天気予報や事前にチェックしたATISでもSKY Clearだったはずが、空港周辺は360度何所も見えない真っ白状態。海岸からの風に煽られた霧で、ATISを聞くとVisibility 1/8 FOG。もう一度、皆の所へ戻ったのは良かったのですが、出発を断念した言い訳に残りの半日を使い、3日間滞在。

10月29日 水曜日 VANCOUVER(CANADA)→BELLINGHAM(WA)
天気は然程悪くなく、次の日も悪くはない予報に出発を決定。再度、皆に挨拶をして空港へ。問題も無く飛べそうなのを念入りにチェックし、予定通り出発。もう一度、皆の所へ戻った日には??

15:15 0 ⇒ 2500feet
YVRにはVFR Departure Procedureがあり Clearanceから出発方式 Garry Point を指定され、Groundを通してTaxi way Cへ。ランナップを終え、Towerからの離陸許可はRunway26L。小型機には大きすぎる滑走路からGarry Point Departure に従い、南へ向かって上昇。Victoria Terminal に繋がれ、バンクーバーに背を向けアメリカへ。国境を越え、入国手続きの為に US Custom のある BELLINGHAM 空港へ。

15:40 BELLINGHAM(WA)
ATISを取るとWind from 180 at 18 gust to 22。右20度から18ノット、突風22ノット。着陸許可を貰った Runway16へ、ファイナルに入って何時も通りフラップを下ろしていくとVASI は赤・赤。パワーを足しても上がってくれず、やむを得ずフラップを上げ、なんとか基準の高さに戻り、右からの突風に煽られながらランディング。Customへのタクシー許可をもらい飛行機を着け入国審査。無事に入国許可を受け、パーキング場へ。
飛行時間48分(ホブスメーター)
BELLINGHAM(WA)→ PAINE FIELD EVERETT(WA)

17:34 170 → 5500 feet
GroundからRunway 16への指示に従いタクシー、相変わらずの強風。夏時間の終わった辺りはもう真っ暗。タワーからLeft Downwind Departureの許可をもらいEverettへ一直線。この日はEverett泊

で距離も短く、楽な気持ちで飛んでいました。

18:09 5500 → 606 feet   
PAINE FIELD EVERETT (WA)
前方にシアトルの夜景を見ながら ランディング許可はRunway16L、Bellinghamと打って変わって風も無く、広大な滑走路に着陸。パーキングエリアも一杯あって、下調べしておいたFlightline Serviceに飛行機を駐機し宿へ。翌日は朝からボーイング工場へ見学に行く予定で早く寝たかったのですが、天候を調べると南オレゴンから北カリフォルニアに雨が降るという予報。プランして置いた山越えルートは難しく、急遽海周りのプランを作成して寝たのは12時過ぎ。明日はサンノゼに帰るぞと思いつつボーイングも見たい!!
飛行時間 54分(ホブスメーター)

10月30日 木曜日  PAINE FIELD(WA)→ CRECENT CITY(CA)→ RIEDHILLVIEW(CA)

朝8:00起床。一目散にホテルを出発してボーイング・エバレット工場へ。朝一のツアーでも参加者は20人少々いて、1時間程の工場内ツアーは747を作っているセクションを見学。駐機場に新品のJALマークが入った777が2機、KLMの777、タイエアーの747が停めてありました。見学自体は想像と少し違ったので退屈していたのですが、出来立ての777を見る事が出来て良かったです。そして、お土産屋に寄った後はFlightline Serviceへ直行し、帰りの準備を始めました。

PAINE FIELD(WA) → CRESCENT CITY(CA)
13:00 0 ⇒ 5500
ランナップでエンジンの異常がないことをチェック。タワーから離陸許可をもらいTake Off16R、Right Crosswind Departureで西へ。シアトルのClassBやあちこちに点在する飛行禁止区域を避けたルートプランで、オンコースか注意を払いながら飛行。帰りは航法に集中しFlight Followingを受けない予定だったので、他の飛行機に気をつけました。

13:39 6500 OLYMPIA(WA)
進路を再度西に変え、海の方へ。雲も然程なく静かな空で、この状態がサンノゼまで続いてくれればと願いながらのフライト。

14:04 6500 ⇒ 7500 ⇒ 3500 feet ASTORIA(OR)
ASTORIAはオレゴン北西の端、COLUMBIA川の河口にある空港。その上空から高度を7500feetに上昇、海岸沿いをひたすら南へ。湾曲した海岸腺が綺麗で景色を楽しんでいたのですが、いくら飛んでも変わらない景色に退屈し始めた頃、前方に薄く雲らしいものが見えたので、注意して近付くと雲の形がはっきり見えるようになり、上を越えるにも雲のトップが高すぎるので、赤信号を無視する様な気持ちで、雲の下をくぐる為に降下を始めると雲は海岸線と平行に出来ており、海岸線を少し海側に迂回すると然程降下する必要も無く飛ぶ事が出来た。内陸の方面の山々は頂上まですっぽりと雲に包まれ、最初のプラン通り内陸から帰っていたら、Eugeneまでしか行く事が出来なかった。

16:08 3500 ⇒ 57 feet CRESCENT CITY (CA)
海岸線を飛ぶこと2時間。目的地付近では避けて来た左側の雲もすれすれ、右側50マイルくらい太平洋上には前線がはっきりと見え、Cumulus がモクモクと立つって来ているのも見えた。
ユニコムをモニターしてもCRESCENT CITYに他の航空機は飛んでいないようで、Runway29へLEFT45からエントリーし、難なく着陸。
飛行時間 3時間24分


17:24 CRESCENT CITY(CA)→ REID-HILLVIEW (CA)
57 → 5500 → 11500 → 9500 → 3500feet
燃料を入れていると、小雨が降って来た。慌ててタンクを満タンにし、何時ものランナップ手順を素早く終え、Runway 35からLeft Downwind Departureで南へ。ラストレグ、雲は未だ高くRHVに帰れると思う嬉しさに気合を入れ直し、日暮れで辺りが薄暗くなり始めた頃、難関がまた一つ。 FORTUNA VORから内陸に向かってSEに向かって飛んでいると、前方の一部が濃いグレーになっており、雲を避けるには 3,500 feet 辺まで下げなければならず、上を越えるか、海側へ迂回するかを決めかねて近付いてゆくと、左右にも雲を確認。雲のトップが見えていたので、雲の上にさえ出てしまえば雲との距離を十分取って飛ぶ事が出来ると判断、11,500 feet を目標にすぐさま 上昇を開始。ここら辺は流石にシエラ、8,000を越えてもグングン上昇してくれる。雲のところに行き着くまでに11,500に到達し、雲の向こう側が見え一安心。しかし、夜なので気付かない間に雲に入ってしまわないように目を凝らして注意を払った。巡航に入って落ち着いた所で、目測で雲のTop 9000 feet 辺と確認し、モクモクグレー雲前方彼方に町灯りを発見しホッと一息。ただ、先程からすごく寒くなってきており、暖房はどうなってるのかと外気温を見ると−12℃、寒かった。因みに僕の操縦中の服装、半袖半ズボン。夜に高高度を1人で飛ぶと危険(酸素が薄くなるので眠くなる)と言われていますが、寒さでそれどころではなかったです。

18:35 UKIAH(CA)から30マイル手前。
寒さに耐え前方の町の灯りを頼りに飛んでいると、突然灯りがスッと消えたとおもった瞬間、飛行機の周りにサァ〜っ、しまった!と思いすぐに降下。高度を確認すると9500 feet。薄くて良かったぁ〜と思い一息。視界が開けた前方はSanta Rosaまで確認する事が出来、いよいよその向こうはベイエリアだと思うと嬉しくなった。
19:09 SANTA ROSA(CA)
此所まで来ればこっちのもの、夜であろうと庭を飛んでる気持ちに余裕しゃくしゃく(幾ら地図で場所を把握していてもやっぱり知らない所は不安になります)。

19:23 NAPA(CA)
SAN PABLO BAY を越えベイエリアに入り浮かれた気分で飛んでいると、オークランドからコンコード、向こうはリバモアまで2000〜3000 feet 辺りに霧が出て来たのか雲がベッタリ。RHVが心配になりATISを取ると、FEW 3000 feet、降りれる。

19:50  LIVEMORE(CA)      
雲の下を行くと丘を越える事が出来るかどうか心配だったので、上から丘を越えて行こうと決めて5500 feet まで上昇。(もし、RHVへ北から入ることが出来なければ、空港東側を迂回して南から進入するオプションも予定に組んで)リバモアー辺を通過。少し行くと雲にポッカリと大きな穴が、そこからサンノゼの町端の灯りも見えたので、ギアを下ろしてパワーを引き、落ちるような感じで降下。周りに注意しながら雲を抜け2000 feet。ミッションピークをサンノゼ側から横切った所でRHVタワーにコンタクト。進入許可をもらい、空港の管制圏内に進入。雲のせいなのか、夜間のせいなのか、どうみても僕の知っているRHVと違う様に見え、エアーポートビーコンが見えているにも関わらず滑走路が確認出来ない不安のまま45からRight Downwind へ入った所で全景が見え、ああ、RHVか。着陸許可を貰い31Rにランディング。滑走路を出ると、直接タワーからAIR ACCORDへのタクシー許可がでたので、最後のタクシーをゆっくりと確かめながら駐機場へ向かうと、校長と大倉さんが手を振って待っていてくれました。エンジンをシャットダウンして大きな深呼吸、やっと帰ってきた〜、もう暫くは飛びたくないと思ってしまいました。
飛行時間 2時間42分(ホブスメーター)

総飛行時間 14時間24分、 総飛行距離 1516 Nautical Mile  (2455.92km)
約、大阪→東京→札幌を往復した同じ距離。

此のフライトを終えた感想は、こんな長距離になるとオンタイムスケジュールや快適性のあるエアラインで行くべきだと思いました。しかし、自分で行ってきたという達成感と自信もつきました。飛んでる間は不安との戦いでしたが、降りて来た後の一息はたまらなく気持ちが良かったです。1516マイル、International Flightという途方も無いことを一人で飛び抜く事が出来た自分に驚きと、日頃の鳴沢教官の訓練に感謝しています。

南はロサンゼルス、北はバンクーバー。残るは東と西です。機会があれば東からロッキー山脈を越えて制覇して行き、西は何年先になるかわかりませんが、日本へ!!と考えています。
今回、御協力して頂いた皆様へ、有難うございました。